月明かりの下で

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「ミツエさん。 私は体調不良で部屋で休んでいる、と皆に伝えて下さい」 周囲に聞こえないよう小声でミツエにアリバイ計画を伝える。 ディアは酒を一口でも飲むと頭が痛くなり気分を害する。 その生態を利用するアリバイを考えたのはミツエだ。 彼女の巧妙なアリバイ作りが鍵を握る。 「あいよディア様。屋上への鍵は先ほど外して置きました。……余計なお世話かもしれないですけどマットを敷きましたので」 ディアは顔を赤らめて一礼しながら体調が悪いフリをしてホールをあとにする。 大臣や兵士達は余興の真っ最中で気付いていない。 王妃にアイコンタクトを送る。 優しい瞳に姫君は安堵の表情を見せる。 カンカンカン。 屋上が二人を繋ぐ秘密のロード。 ドレス姿のままディアは扉を開ける。 そこで待っていたのは愛しいあの人。
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