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手術が終わり、咲の子宮は摘出された。無事に成功した。
咲が目を覚ました。そこには咲のお母さんと駆けつけたお兄さんと僕がいた。
「咲・・・よかった。無事に終わったよ」お母さんが安心した顔で声をかけた。
咲は僕たちを見て静かに笑った。
咲のお母さんとお兄さんは担当の先生の話を聞きに病室を出て行った。僕は咲と二人きりになった。
「幸ちゃん、疲れたでしょ?ありがとうね。側にいてくれて」
自分の方が疲れているはずなのに僕を気遣う咲が愛おしくてたまらなかった。僕は寝ている咲を抱き締めた。
「生きていてくれてありがとう」泣きそうになるのを必死でこらえた。
「幸ちゃん」咲は僕の頭を優しく撫でた。
僕は静かに離れた。
「疲れただろ?ゆっくり休んで。僕は家に戻るね。また明日来るから」
「うん。ありがとう。気を付けてね」咲は柔らかく笑った。
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