登場人物

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目覚めるとそこは屋上階段の踊り場だった。 私は、マーニャが難産の上に産んでくれた唯一の生き残り。父ジャロンにペロペロと舐められ、そこで目覚めた。 飼い主のいない猫にとって、雨風をしのげる場所は大切だ。とある廃ビルの屋上階段には屋根があり、屋上伝いに安全に外に出て行ける。 父は狩りが得意である。と言っても、鉄砲を持って獲物をしとめると言うかっこいいものではない。簡単に言ってしまえば、コソ泥、盗みだ。その盗んだものが獲物であり、私の食事でもある。ただ、今は母のミルクしか飲めない。だから、この獲物は母のためのもの。 ストーリーは、ジャロンが餌を探しに出ていく、小さな冒険を中心に進む。魚屋のごみ、精肉工場の廃棄処理場、そして民家のごみ箱や早朝のごみ置き場が主戦場となる。もちろん、ライバルもいる。若い猫もいれば、年老いた猫もいる。野良猫だけでなく、飼い猫まで参入する。 そんな中、お金持ちに飼われた、美形の猫、シャーミンが登場する。シャーミンはジャロンがお気に入りで、自分の餌を分け与えてくれる。しかし、ジャロンに妻子がいることは知らない。婚約指輪のない猫世界では、何も言わなければ既婚者であることはばれない。餌だけもらい、逃げかえる。そんな姿を見ても、飼い主に見つかるのを恐れて逃げ出て行っていだけだと思われている。 ジャロンは年老いた猫に餌を譲ったり、若い猫に盗みの奥義を伝授したり、陰で大活躍する。しかし、密かにシャーミンに思いを寄せる、ライバル猫、バロンに着け狙われ、大けがをする。けがをしても餌を集めなくてはならない。 こんな、猫たちのひそやかな生活をストーリーにしてみた。
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