2.たくさんのびっくり箱

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龍一が作ってくれたのは、豚バラネギ鍋だった。 太くて甘いネギを豚バラで巻いたものが、土鍋に敷き詰めてある。 スープは鶏ガラ、うっすら醤油味。 仕上げに加えた、たっぷりのレタスがシャキシャキして美味しい。 龍一が手際よく取り分けてくれるオプション付き。 「ネギが熱いから気をつけて」 忠告はイヤミじゃなくて親切だと思いたい。 確かに気をつけないと、熱々のネギが口の中に飛び出してきてヤケドしそうだ。 「熱っ!」 注意されたにも関わらず美百合は叫んで、 「だから言っただろう。ほら水」 龍一に世話を焼かれていた。 美百合の隣には龍一。 さくらはふたりの相向かいに座っている。 さくらは、ふたりのやり取りをジッと見て、それから箸を置いた。 綺麗な箸使いをする龍一を眺めていると、その視線に気づいたのか、 「何か?」 こちらに顔を向ける。 さくらは、 「いえ」 うっすらと笑みを浮かべた。 「この家に監視カメラが多いのは、どうしてかしらと思って」
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