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ガバッと、美百合が抱きついてきた。
小学生の頃とは比べものにならない美百合の豊かな胸が、ムギュウッとさくらに押しつけられる。
「ちょ、ちょっと美百合、苦しい」
こんな時だが、ものすごい圧だ。
まるで、でっかいバランスボールをグイグイと押しあてられるよう。
「さくらさくら、もう大好きよ!」
「み、美百合、タンマ……」
さくらが苦しさに喘ぐと、美百合はようやくさくらを放してくれた。
「でもね、大丈夫なんだよ。龍一はDV男なんかじゃない。ちょっとヤキモチ妬きなだけ」
DV夫を庇う妻の発言にしか聞こえない。
しかめっ面になるさくらに、美百合は、
「証拠もあるんだよ」
「証拠?」
そう言いながら、ベッドの下から引っ張り出してきたのは黒い袋。
「これ、龍一が置いていったの」
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