3.有坂家の現実

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ガバッと、美百合が抱きついてきた。 小学生の頃とは比べものにならない美百合の豊かな胸が、ムギュウッとさくらに押しつけられる。 「ちょ、ちょっと美百合、苦しい」 こんな時だが、ものすごい圧だ。 まるで、でっかいバランスボールをグイグイと押しあてられるよう。 「さくらさくら、もう大好きよ!」 「み、美百合、タンマ……」 さくらが苦しさに喘ぐと、美百合はようやくさくらを放してくれた。 「でもね、大丈夫なんだよ。龍一はDV男なんかじゃない。ちょっとヤキモチ妬きなだけ」 DV夫を庇う妻の発言にしか聞こえない。 しかめっ面になるさくらに、美百合は、 「証拠もあるんだよ」 「証拠?」 そう言いながら、ベッドの下から引っ張り出してきたのは黒い袋。 「これ、龍一が置いていったの」
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