はなのさかり

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はなのさかりを過ぎたころ しおれた肌を撫でまわす 触れあう皮膚の皺と皺 擦りつけ生まれる虚しさへ 転がり落ちればよみがえる はるか彼方の恋のこと ふたり浜辺にしゃがみこむ 日差しにかざしたシーグラス でたらめにさらう波が ロマンチックに煌めいた 濡れた手のひらに触れたとき 正しい答えを選んだら 握り返すなんてできなくて 離れることもできなくて 目を臥せるしかなかったの はなのさかりを過ぎたころ 褪せた瞳を覗きこむ 交じらぬ視線の先と先 焼けつき焦がれる危うさへ 浮かび上がれば消え失せる はるか昔の夜のこと ひとり窓辺に座り込む ギターを抱えたシルエット 気まぐれに弾く指先は センチメンタルを震わせた さみしい背中に触れたとき 正しい言葉を選んだら 死なないでなんて言えなくて そばにいてとも言えなくて 口をつぐむしかなかったの はなのさかりを過ぎたころ 枯れたこころが項垂れる 酒に溺れた夜と夜 熟れて傷んだ静けさへ 身を捧げれば耐えられる はるか遠くの君のこと ひたり喉元を滑り落ちる 味のなくなったアルコール ぱちぱち弾ける炭酸を 思い出と共にかき混ぜた 君の後悔に触れたとき 選べなかった真実と 散ったはなびらが帰るなら グラスに揺れる魂を 悪魔に売っても構わない
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