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職場を出て車に乗り込む。バタンッとドアを閉めると深い溜め息をつきながらシートに背を預ける。
煙草に火を着け、ふぅと煙を吐く。これでさっきのは溜め息ではない言い訳を得る。
狭い駐車場から抜け出し、国道沿いのコンビニへ向かう。入り口前の駐車スペースが空いていた。煙草の火を消した所でケータイがピコンと鳴る。
コンビニの照明が眩しい。ホットコーヒーを買い、車に戻る。
空は赤く染まっていた。帰宅する車の波に乗りまた国道を進むと、5分程で広い公園に着く。助手席に置いていたマフラーを首に巻き、コーヒーを片手に車を降りると、公園の中央にある丘を登る。
今通ってきた国道を見下ろせる。ついさっきまで赤かった空に、日はもう無かった。東はもう黒に染まり、西へ向かい徐々に青白くなっている。夜明けか日暮れかわからなくなりそうな色だ。
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