第1章 私を本気にさせた悲しい出来事

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2018年 1月20日 午後0時 大型ショッピングモール HIKARI従業員休憩室 300席はあっという間に従業員で埋まっていた。 「ねぇねぇ愛さん、今日すごい事件ありましたよね」 今日のランチのトレイをテーブルに置いて、せわしなく椅子に座って前のめりに話しかけてきた。 八代真美(やしろまみ)23歳。食品レジ係。 「ああ、ほんま困るわ。課長すぐお客さんの言う通りにするから、もうキリないっていうか、私らわさ断るやん」 お弁当の卵焼きをパクリと一口で食べながら事件を思い出しているのか、眉間にしわを寄せる、木原 愛 (きはら あい)29歳。食品レジ サービス係。 「もう、んぐぐ、違いますよ、愛さん」 エビフライに半分かぶりつきながら首を振る真美。 「課長みたいに何でも聞き入れてたら、結局さ文句言うお客さんが得するやんな。こっちの説明聞いて、ごめんなさいねって承諾してくださったお客さんに申し訳ないやん」 課長に対する不満爆発中の木原 愛には真美の否定文は聞こえていないのか、早口で話して ペットボトルのお茶を一気飲みした。     
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