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「もう、私が言う事件は課長が使えないクーポン使ったことじゃないんですよ。愛さん」
声のボリュームを上げて、ゆっくり諭すように話し出した真美。
「えっ、そうなん。えーと今日他に何かトラブルあったっけ」
ミートボールを一口で食べながら考え込む木原 愛。
「愛さん、ニュース見てないんですかぁ。はいこれですよ」
スマホを愛に見せる真美。
「これって、ここの、あれなの、ええっ」
木原 愛は、箸を置いてスマホを食い入るように見ている。
「私もびっくりしたんですよ」
真美は驚愕する愛の姿に、やっと驚きを共感してもらえた満足感に満ち溢れながら、最後に食べようと残していたデミグラハンバーグを口にした。
「とろけるぅ、安定の美味しさ。愛さん、お弁当も良いですけど、ここのランチ食べてくださいよ。全部手作りでめちゃ美味しいんですよ。このクオリティで400円なんて食べなきゃ損ですよ」
ハンバーグの後すぐご飯を一口。食レポしているように、目を閉じて味を噛みしめている。美味しさのリレーやんとでも言いそうだ。
「ちょっと真美ちゃん、私はお弁当でいいの。100円で作ってるんだから。って呑気な話してる場合じゃないわよ」
スマホを真美に返しながら話を元に戻した。
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