第1章 私を本気にさせた悲しい出来事

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「真美ちゃん、Casablancaって一階に入ってるお店やんな」 おかずがなくなってご飯だけになってしまったお弁当をいや、白米のみを食べ続ける 木原 愛。 「そうなんですよ。北玄関横の一番目立つ場所で、他の専門店の3倍はあるすんごく広いショップですよ。愛さん行ったことないですか」 無言で 白米を箸でつついている愛を見て、すぐにやばい空気を察した真美。 「あーあそこのお店入りににくいですよね。私も行ったことないんですよ。でも、びっくりですよね。会ったこともないですけど、このモールの人がニュースになって」 話し終えて 慌てて コーヒーを飲んだためゴホゴホとむせる真美。 「はい、真美ちゃん」 愛がのど飴を2個真美のトレイに置いてあげた。 「あっありがとうごございます。ごほごほ」 真美はすぐのど飴を口に入れた。 「このマンションやけど、テラスの柵というか高いガラス張りになってて。椅子に座ってても景色が一望できるようになってるの。いくら酔っ払っていたからって、大人が落ちるかな」 愛ものど飴を口に入れた。そして、スマホで何かを検索し始めた。 真美は愛がCasablancaに行ったことがないために、気分を害して無言になったと思い込んでいたが、三国 雪乃のことを考えてたんだと気づいた。
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