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それは、俺の小心者な(友人曰く、優しい)性格がきっかけだった。
バイトを終え、自宅マンションのエントランスで郵便物をチェックしていた。
ときどき間違えがあるから、自宅に持ち帰る前に確認している。
今回は、一通だ。
607の俺の家に706の戸田さん宛ての手紙が入っていた。
「まぁ、部屋番号が紛らわしいよな。」
って思って、706に入れようとした…
けど、あれ？706って戸田さん？
小野寺さんじゃなかったっけ？
母さんが、小早川と小野寺って似てるわよね～部屋の番号も名前も似てるわね。って話してたし。
うちの母さんは、半分外国の血が入っているから、ちょっと変わっている。
小早川と小野寺が似てるって？小って字と3文字ってところだろ。
それって似てるのか？って、思ったけど、言わなかった。母さんが、そう思うんなら、そういうことにしておく。
こういうところが、みんな優しいって言うけど、それは、違うんだよな～
おぉっと、脱線した。
そんなこんなで、間違い郵便は、そのまま、俺の手元にある。
なんで、706に入れなかったんだろう？別に間違えていても、俺が悪いわけじゃないのに。
なんで、持って帰っちゃったんだろう？
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