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「お母さん方に悪気はないのよ。君がかわいいから、ついつい話しかけたくなるのよ。」
「いや、大丈夫です。何ていうか、あんなに人から注目されることがなくて、免疫が…ないっていうか~」
「まぁ、うちの旦那も初めはすごく話しかけられて、ビクビクしてたわ。」
「はは、そんな感じっす。」
創子さんは、カラカラっと笑う人だった。
「小早川 藤くんよね。君のママにはすごくお世話になっているの。
わたし、706の小野寺 創子です。」
「すみません。うちの母、変でしょ。話がすぐ飛びますよね。オチがないし、笑いのツボもずれてるし。」
「ふふ、私は、すごく合うんだけど、変なのかしら?」
「いやっ、そういうわけじゃなくて…あなたは、ステキです!」
創子さんは、目を真ん丸にして、吹き出した。
「ありがとう!
あなたも、あなたのママもステキよ。」
多分、
いや、すごく、
気に入った。
一目ぼれってわけじゃない。何ていうんだろ?
雰囲気とか声とか、会話の空気っていうか、すごく心地よく感じた。
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