1.letter

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そんなこんなで、創子さんと知り合いにはなったけれど、それ以来会うことはなく、今に至る。 社会人と大学生、時間は合わない。 で、手紙。 夕食後、リビングのソファーで寝そべりなが思案にくれていた。 小野寺じゃない。 戸田さん、結婚して引っ越してきたのに、旧姓で届くのかな?実家じゃない? 何だかわけがありそうで、直接渡して、顔を合わせるのが気まずい。 でも、これにかこつけて、会いたい… 気もする。 とりあえず、仲良しの母さんに聞いてみるか。 「母さ~ん。斜め上の小野寺さんって、名前変わった?」 「え~、創ちゃん? 何、藤くん、仲良しなの?」 創ちゃん?ホントに仲良しなんだ。 母、息子、揃って好みのタイプは似ているのか。 「仲良しじゃないけど、うちに間違って手紙入ってて…」 「違う名字だったのね…」 「うん、戸田だった。」 「…創ちゃんのところ、別れるみたいよ。あの子、大変なのに、変わらなくって、平気な顔して。」 「何で?」 「男がスケコマシだったのよ!」 母さん、それ、ロクデナシですよね。 「浮気?」 「アーンド、妊娠!!」 「マジで!そりゃ、スケコマシだわ。」 「旦那さん、いい人に見えたけどね。母さん、見る目がなかったわね。」 いや、それ、創子さんが、でしょ。母さんに見る目があっても、どうにもなんないし。 「…ってか、どうすんのかな。」 「どうもこうも。慰謝料踏んだくって、後悔させるしかないでしょ。創ちゃんは悪くないんだから、胸はって進めばいいのよ。」 後半、いいこと言ったけど、前半、現実だな。 創子さん、大丈夫かな?大学生の僕には、想像もつかない、現実。 浮気、不倫、妊娠、離婚、慰謝料
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