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そんなこんなで、創子さんと知り合いにはなったけれど、それ以来会うことはなく、今に至る。
社会人と大学生、時間は合わない。
で、手紙。
夕食後、リビングのソファーで寝そべりなが思案にくれていた。
小野寺じゃない。
戸田さん、結婚して引っ越してきたのに、旧姓で届くのかな?実家じゃない?
何だかわけがありそうで、直接渡して、顔を合わせるのが気まずい。
でも、これにかこつけて、会いたい…
気もする。
とりあえず、仲良しの母さんに聞いてみるか。
「母さ~ん。斜め上の小野寺さんって、名前変わった?」
「え~、創ちゃん?
何、藤くん、仲良しなの?」
創ちゃん?ホントに仲良しなんだ。
母、息子、揃って好みのタイプは似ているのか。
「仲良しじゃないけど、うちに間違って手紙入ってて…」
「違う名字だったのね…」
「うん、戸田だった。」
「…創ちゃんのところ、別れるみたいよ。あの子、大変なのに、変わらなくって、平気な顔して。」
「何で?」
「男がスケコマシだったのよ!」
母さん、それ、ロクデナシですよね。
「浮気?」
「アーンド、妊娠!!」
「マジで!そりゃ、スケコマシだわ。」
「旦那さん、いい人に見えたけどね。母さん、見る目がなかったわね。」
いや、それ、創子さんが、でしょ。母さんに見る目があっても、どうにもなんないし。
「…ってか、どうすんのかな。」
「どうもこうも。慰謝料踏んだくって、後悔させるしかないでしょ。創ちゃんは悪くないんだから、胸はって進めばいいのよ。」
後半、いいこと言ったけど、前半、現実だな。
創子さん、大丈夫かな?大学生の僕には、想像もつかない、現実。
浮気、不倫、妊娠、離婚、慰謝料
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