1.letter

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階段で1つ上の階へ 706 チャイムを押す 「はい。」 声が聞こえた。 「あっ、俺、小早川です。607の。母がいつもお世話になっています。あ、あのっ、」 しどろもどろ… 勢いだけで来たから、何て言っていいか かっこわる… ガチャ ドアの開く音と笑い声 「ふふ、こんばんは。久しぶりね。」 「お久しぶりです。あのっ …手紙、俺、間違って、持ってっちゃって。」 「あ~、わざわざ持ってきてくれたの?ありがとう。」 笑顔で受け取ってくれた。そっと顔を見る。目が合って、目をそらす。 目が合って、冷静になった。 これって変だよな。家まで押しかけるって。 「すみません。ポストに入れておけば良かったですよね。家まで持ってきて。」 「…ううん、助かったわ。 良かったら、上がってく?」 ラッキー、災い転じて福とほにゃらら いや、災いは創子さんのほうだよ。
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