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階段で1つ上の階へ
706 チャイムを押す
「はい。」
声が聞こえた。
「あっ、俺、小早川です。607の。母がいつもお世話になっています。あ、あのっ、」
しどろもどろ…
勢いだけで来たから、何て言っていいか
かっこわる…
ガチャ
ドアの開く音と笑い声
「ふふ、こんばんは。久しぶりね。」
「お久しぶりです。あのっ
…手紙、俺、間違って、持ってっちゃって。」
「あ~、わざわざ持ってきてくれたの?ありがとう。」
笑顔で受け取ってくれた。そっと顔を見る。目が合って、目をそらす。
目が合って、冷静になった。
これって変だよな。家まで押しかけるって。
「すみません。ポストに入れておけば良かったですよね。家まで持ってきて。」
「…ううん、助かったわ。
良かったら、上がってく?」
ラッキー、災い転じて福とほにゃらら
いや、災いは創子さんのほうだよ。
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