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分からんもんは仕方ない。
落ちている服(きれいに畳まれている)を着て、布団を整えて、寝室を出る。
リビングのソファーでは、創子さんがコーヒーを飲んでいた。
「おっはようございます。」
噛んだ…
「おはよう。頭は痛くない?けっこう飲んでいたから、大丈夫?あっ、水飲む?」
何事もなかったかのように、淡々と話された。
「痛いっす。あっ、水下さい。ってか、俺、途中からは記憶が曖昧で…」
聞けない。昨日、しましたか?
なんて…
「どうぞ。」
テーブルに水が置かれた。
「いただきます。」
一口飲んで、そっと創子さんの顔を見る。うっすら化粧をした横顔、首、特に痕はないな。分からない、分かるわけない。
腹を括ろう。
「昨日は泊めてもらって、ありがとうございました。あのっ、楽しかったです。」
「ふふ、記憶が曖昧なのに?」
「あのっ、昨日…しましたか?」
創子さんがじっと俺を見る。うぅ、読めない。
「どっちがいい?」
えぇ~っ、分からないから聞いているのに、どっちがって、選ぶんですかって、心の中で叫ぶ。
「……、したほうで。」
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