1.letter

18/45
前へ
/45ページ
次へ
分からんもんは仕方ない。 落ちている服(きれいに畳まれている)を着て、布団を整えて、寝室を出る。 リビングのソファーでは、創子さんがコーヒーを飲んでいた。 「おっはようございます。」 噛んだ… 「おはよう。頭は痛くない?けっこう飲んでいたから、大丈夫?あっ、水飲む?」 何事もなかったかのように、淡々と話された。 「痛いっす。あっ、水下さい。ってか、俺、途中からは記憶が曖昧で…」 聞けない。昨日、しましたか? なんて… 「どうぞ。」 テーブルに水が置かれた。 「いただきます。」 一口飲んで、そっと創子さんの顔を見る。うっすら化粧をした横顔、首、特に痕はないな。分からない、分かるわけない。 腹を括ろう。 「昨日は泊めてもらって、ありがとうございました。あのっ、楽しかったです。」 「ふふ、記憶が曖昧なのに?」 「あのっ、昨日…しましたか?」 創子さんがじっと俺を見る。うぅ、読めない。 「どっちがいい?」 えぇ~っ、分からないから聞いているのに、どっちがって、選ぶんですかって、心の中で叫ぶ。 「……、したほうで。」
/45ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加