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女子の中のリーダーっぽい子。さりげなく化粧をしていたりスカートを短くしていたり、可愛い子だった。男子の間で人気があった。性格はよく分からない。俺は、派手なやつらのグループじゃなかったし、サッカー部の仲間とばかりつるんでいたから。 結論、性格はあまりよろしくなかったらしい。 そもそも告白してきたのも、俺の面が良かったからだ。中身はどうでもよかったのだろう。 俺は、可愛いから付き合ってもいいか、とも思ったが、そもそも付き合うということがわかってなかった。別に彼女が欲しいとも思ってなかった。だから、好きとか付き合うとか、よく分からない。と、返事をした。 まぁ、彼女にとっては断られるなんて意外だったのだろう。でも、中学二年の男子なんてまだまだ子どもだよ。頭では性的なことを考えるし自慰も覚えたけど、それも、男同士だから楽しいんだ。 大いにプライドを傷つけられた彼女は掌を返した。 髪を染めているだの、見た目のことで調子にのっているだの、童貞だの(事実だけど、ほとんどの男子がそうだったのに。)噂は広がり、だんだん学校が居心地の悪い場所になっていった。目に見えない何かに精神的に追い詰められていた。
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