1.letter

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さて、この手紙、どうしたものか。 あれよあれよっていう間に、あれから、一週間… さっさと、郵便受けに入れればよいのだけど、いざ入れようと思うと、ちょうど他の住人が通ったり、管理人さんがいたりする。 誰も俺の行動なんて見ていないだろうけど、人ん家の郵便物を触っているって、悪いことをしているみたいて、ビクビクしてしまう。 そして、そのまま、大学にまで持ってきてしまっている。 友よ、俺は優しいのではない。ただ小心者なのだよ。 と、心の中で叫んでみる。 「んっ、小心者?藤が?」 っと、心の中で叫んだつもりが、声に出ていたらしい。 隣でスマホのゲームをする友人に突っ込まれる。 「藤が小心者?たしかに、ハムスターみたいだもんな。」 「なんで、小心者とハムスターが一緒なんだよ。」 「なんか、ブルブルって、小刻みに震えていそうじゃん。」 「お前は、狂暴なゴリラだから、俺の繊細さはわからないよな。」 ゴリラこと小林啓祐が、ちらっと俺を見て言う。 「ゴリラって本当は優しいんだぜ。」 得意気に笑う。 啓祐、ゴリラは否定しないんだ。 そういうところが、いいやつだなって思う。 小林啓祐 大学の友達、仲良くなったきっかけは、名前が こばやかわ→こばやし で近かったから。 高校生かって! 啓祐をゴリラとはいったが、それほどゴリラでもない。ゴリラっぽいのは、体か大きいところと髪の毛が真っ黒なところ、毛深いところ、かな~ 顔は彫りが深いから、猿よりはゴリラより。 でも、すごくいいやつ。何ていうか、おおらかで、あんまり周りを気にしないやつ。 だから、俺とも居てくれるのだろう。
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