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さて、この手紙、どうしたものか。
あれよあれよっていう間に、あれから、一週間…
さっさと、郵便受けに入れればよいのだけど、いざ入れようと思うと、ちょうど他の住人が通ったり、管理人さんがいたりする。
誰も俺の行動なんて見ていないだろうけど、人ん家の郵便物を触っているって、悪いことをしているみたいて、ビクビクしてしまう。
そして、そのまま、大学にまで持ってきてしまっている。
友よ、俺は優しいのではない。ただ小心者なのだよ。
と、心の中で叫んでみる。
「んっ、小心者?藤が?」
っと、心の中で叫んだつもりが、声に出ていたらしい。
隣でスマホのゲームをする友人に突っ込まれる。
「藤が小心者?たしかに、ハムスターみたいだもんな。」
「なんで、小心者とハムスターが一緒なんだよ。」
「なんか、ブルブルって、小刻みに震えていそうじゃん。」
「お前は、狂暴なゴリラだから、俺の繊細さはわからないよな。」
ゴリラこと小林啓祐が、ちらっと俺を見て言う。
「ゴリラって本当は優しいんだぜ。」
得意気に笑う。
啓祐、ゴリラは否定しないんだ。
そういうところが、いいやつだなって思う。
小林啓祐
大学の友達、仲良くなったきっかけは、名前が こばやかわ→こばやし で近かったから。
高校生かって!
啓祐をゴリラとはいったが、それほどゴリラでもない。ゴリラっぽいのは、体か大きいところと髪の毛が真っ黒なところ、毛深いところ、かな~
顔は彫りが深いから、猿よりはゴリラより。
でも、すごくいいやつ。何ていうか、おおらかで、あんまり周りを気にしないやつ。
だから、俺とも居てくれるのだろう。
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