1.letter

42/45
前へ
/45ページ
次へ
しばらくってどのくらいだろう? 「人それぞれだろう。」 「へっ。」 「今、お前が聞いたんだろ?」 「あ~、口に出てたか…」 最近、独り言が多いかも。しかも、それに気づいていない自分が恥ずかしい… 「じゃあ、啓祐にとって、しばらくってどれくらい?」 「何かが分からんけど、」 啓祐が苦笑しながら、答えてくれた。 「告白の返事の場合、オッケーならすぐもしくは次の日かな。無しの場合も同じくらいだな。」 啓祐は分からんと言いながら、ちゃんと、創子さんへの告白のことだって、分かって答えをくれる。 「えっ、全然、しばらくじゃないじゃん!」 「まて、迷っている場合なら、1週間、1か月。」 「はは、幅広。でも、そうだよなぁ。俺、どうしたらいい?」 講義机に頬をつけて、啓祐を見上げる。返事を催促していいのか、待つべきなのか、どうしていいか分からず、啓祐に頼る。 ってか、啓祐って、彼女いるのかな?そういや、そういう話はしないな。モテるほうだと思う。バスケをしていたから、背は高いし、顔は彫りが深く男らしい。俺とは正反対のタイプ。やや毛深いけど、色黒だから嫌な感じはしない。 この際、聞いてみようか。 「啓祐~。今日バイトの日?暇だったら、相手して?」 「…っ、いつもの居酒屋でいいか?」 啓祐がちょっと言葉につまったのが気になるが、付き合ってくれるならよかった。 「7時半くらいでいいか?俺、一回家に帰ってから行くから。」 「分かった。先に入って飲んでるかも。」 「いいよ、飲んでて。じゃあ、しっかり付き合ってくれよ!」
/45ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加