失う

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準備をしていた ある日気分転換に、外で食べる事にした。 咲也「和み亭、、、」 赤いのれんがかかった 小さな定食屋みたいだった。 店に入った。 店主「いらっしゃーい」 威勢よく笑顔で女店主はそう言った。 カウンターに腰掛けた。 ここの店は女の人一人で切り盛りしている 定食屋みたいだった。 咲也「何がオススメと、、、 あと、レモンサワーで」 女店主「あいよ!」 出されたのは、 俺の大好物のオムライスだった。 俺はオムライスを食べる。 女店主「あれ?どうしたんだい?」 咲也「えっ?」 オムライスを食べて いつのまにか自然に 俺は泣いていた。 女店主は、テイッシュをそっと置いた。 俺は目を拭って言った。 咲也「美味しくて、、、つい、、、 大切な人に、作ってもらった事を 思い出してしまって、、、」 女店主「泣きたい時は泣きなさい。 我慢しなくていいんだよ。 私は美和子って言うんだ! 名前は何て言うの?」 咲也「咲也です、、、」 美和子「咲也ね、、、 じゃあ、咲ちゃんだね! いつでも、またおいで!」 美和子さんは、暖かな笑顔で 俺に笑った。 それから、たまに行っては 美和子さんと仲良くなって行った。 色々な、身の上話をした日もあったし くだらない話とかで 他の常連客と楽しく過ごした。 どこか懐かしくてほっとする ここの店はすっかり 俺の心の拠り所になっていた。 美和子さんの人柄だろう。 まるで、母みたいな存在に感じた。
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