4章

3/3
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/33ページ
 私は初めてのデートの日を境に、また病院に通いだした。理由は言うまでもないが、睡眠薬が赤子に対して思ったよりも効果的だったからだ。二週間に一度、私は行きつけの病院に睡眠薬をもらいに行った。正直、一回病院に行けば二週間分の睡眠薬がもらえたし、赤子に薬をやるのは月に四度程だったから、別に病院に通わなくてもよかった。しかしずっと私を見ていてくれていた担当の先生が、必要以上に私の心配をしてくれて、私は二週間に一度、病院に来るようにと言われた。それに先生に、薬を小さな子どもに飲ましているだなんて言えなかったから、薬は私が毎日飲んでいると説明していた。だから二週間ごとに私は、二週間分の薬をもらいに病院へ行った。  秋本さんとは月日が経つごとに仲を深めていって、月に四回ほど一緒にどこかへと出かけた。私はその度に赤子に睡眠薬を飲ませるようになったし、最初は半分に割った欠片だけを赤子に飲ませていたが、それも四回目には大丈夫だろうと独断して、一錠を丸々、赤子の口に突っ込むようになった。 
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!