2章

1/5
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/33ページ

2章

 充血をした目の色のような肌が、掃除も禄にされていない、埃だらけのフローリング上で露わになっている。もちろん私の家にはこの赤子に着せる服が一枚もない。そもそも当たり前だが、赤子のための道具が一つとしてあるわけがないのだ。私はこの子に与える母乳などはどうすればよいのだろうかと考えた。   老人の持っていた真っ白な布を黒く染めた、見るだけでも耐えられそうにない糞が、まだこいつの尻にはへばりついている。私はこの醜い子の排出物を掃除するのが非常に嫌だと思った。そのようなことを考えながら、私は携帯で赤子に関することについて調べてはメモを取り、ちょうど赤子が眠ってくれたので、私はそいつをそのままにしておいて、車で十五分程走ったところにある、ここらでは大き目なデパートに向かうことに決めた。そして私は多くない預金を崩して、これから赤子の面倒を見るのに最低限必要なものだけを、買うことにした。
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!