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「ねぇ、お兄ちゃん」
「ん?」
「何で来てくれたの?」
「バカな妹が出席日数が足りなくて留年しないようにするのも、兄の役目ってやつだよ」
「んなっ、バカじゃないもん!お兄ちゃんのバカ!」
「はいはい、そうだな…でも、何事もなくて良かった」
「なにそれ、お兄ちゃんのせいなんだから、お兄ちゃんが助けてくれるのが道理ってものでしょ?」
「あはは、そうだな。なあ、美優」
「んー?」
今度は俺から美優を抱きしめた。
「ちょ、ちょっと、どうしたのよ、お兄ちゃん…!?」
「……いつものお返しだ。大事な妹が、こうして俺の隣にいてくれる…俺の日常には、お前が必要なんだ」
「お兄ちゃん…ふふ、私の日常にも、お兄ちゃんが必要だよ。私の大好きな、私だけのお兄ちゃんが…ね?」
「ああ、それだけで十分だ」
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