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二人並んでゆっくり学校へ向かう。
朝のHRは完全に諦めていた。
「あーあ、お兄ちゃんのせいで怒られちゃったなぁ」
「全く、全部人のせいにしやがって…明日から同じ時間に起こしてやろうか?」
「お兄ちゃんは無駄に早起きだからなぁ。そしたら授業中寝ちゃうよ…」
「とか言いつつ、普段から授業で寝てんじゃねーか。今更変わんねーよ」
「…だったらさ、同じ時間に起きるなら、一緒に寝ても…いい?」
「はぁ?何バカなこと言ってんだよ。お前が俺と一緒の部屋が嫌だって言って分けてもらったんじゃねーか、それこそ今更だっつーの」
「そ、そうだけど、たまにはいいじゃん?」
「母さん達に変な目で見られても知らねーぞー。ってか、そんなに一緒に寝たいんなら彼氏でも作ったらいーじゃん。」
「な、何言ってんのよ!お兄ちゃんのバカ!変態!私は、私は──」
「おい、美優!」
気がつくと私は走っていた。
学校でもなく、家でもなく、ただひたすらに走っていた。
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