兄妹愛

5/11
前へ
/21ページ
次へ
二人並んでゆっくり学校へ向かう。 朝のHRは完全に諦めていた。 「あーあ、お兄ちゃんのせいで怒られちゃったなぁ」 「全く、全部人のせいにしやがって…明日から同じ時間に起こしてやろうか?」 「お兄ちゃんは無駄に早起きだからなぁ。そしたら授業中寝ちゃうよ…」 「とか言いつつ、普段から授業で寝てんじゃねーか。今更変わんねーよ」 「…だったらさ、同じ時間に起きるなら、一緒に寝ても…いい?」 「はぁ?何バカなこと言ってんだよ。お前が俺と一緒の部屋が嫌だって言って分けてもらったんじゃねーか、それこそ今更だっつーの」 「そ、そうだけど、たまにはいいじゃん?」 「母さん達に変な目で見られても知らねーぞー。ってか、そんなに一緒に寝たいんなら彼氏でも作ったらいーじゃん。」 「な、何言ってんのよ!お兄ちゃんのバカ!変態!私は、私は──」 「おい、美優!」 気がつくと私は走っていた。 学校でもなく、家でもなく、ただひたすらに走っていた。
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加