270人が本棚に入れています
本棚に追加
「……生徒だぞ、おまえ」
「わ、かってるもん」
先生を好きになるのは、不毛なんだってわかってる。でも、おにいちゃん、私にキスした。生徒にあんなこと、本当はしちゃだめなんだ。だから、お互い様なんだ。
「なんとか先輩が好きだったんじゃねーのか、節操なし」
「意地悪」
「なにがだよ」
わかってる。こんなこと言ったら、おにいちゃんが困るって。おにいちゃんが先生になるなんて、思わなかった。そんなおにいちゃんを、好きになるとも思わなかったのに。
「おにいちゃんが、すきなの」
言っちゃった。私はぎゅっと目を閉じた。
「……ぷにのくせに」
影が落ちてきたので、目を開く。おにいちゃんの顔が近づいてきて、唇が触れ合った。
「ふ」
ちゅ、と音を立てて、唇が離れて行く。私は目を瞬いた。
「な、んでキスするの?」
「かわいいから」
おにいちゃんが、初めてかわいい、って言った。きゅんとして、シャツを掴む。
「もう一回、して」
また、唇が合わさった。さっきより長い。おにいちゃんがベッドに膝をつくと、私のスカートがくしゃりと寄った。
最初のコメントを投稿しよう!