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高3になると、おにいちゃんは受験で忙しくなり、疎遠になった。そうして、県外の大学に見事合格。それ以来、まったく音沙汰なかったのだが。
まさか先生になっていたとは。教室に戻った私は、盛大にため息をついた。
「どうしたの、ふみ。でかいため息ね」
はるかちゃんが顔を覗き込んでくる。
「ううん、なんでもない」
私笑顔を見せ、弁当を取り出した。苦手な体育は終わったし、はるかちゃんと食べるお弁当の時間は私の癒しだ。いそいそと手を合わせる。
「いただきま」
ピンポンパンポーン。
「二年三組、川内ふみさん。至急職員室まで来てください」
いきなり自分の名前が呼ばれて、私は驚いた。なんだろう、呼び出されるようなことしたっけ。
「ちょっと行ってくるね」
私ははるかちゃんにそう断って、職員室に向かった。
職員室に入ると、おにいちゃんが手を挙げた。
「おう」
私は嫌な予感を覚えながら、おにいちゃんに近づいた。
「なに? いまごはん食べてたんだけど」
おにいちゃんは、私に500円玉を差し出した。
「焼きそばパン買ってこい」
「え!?」
まさか、そんなことのために校内放送を使ったのか。
「五分以内」
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