桜が咲いたら……

3/4
前へ
/4ページ
次へ
「先生ぇー」 「うん?」 「エアコンつけようよー」 「何で?」 「手が冷たい」 ひたすら集中していたら気にならなかったけど、ふと気がつくとシャープペンを持つ指先が冷えきっていた。 私の訴えに先生は意地悪くフンと鼻で笑う。 「手の動かしが足りてねーんじゃねーの」 つまり、私の勉強量が足りないと!? ひどい。 センター試験目前の女子高生に向かって不安をあおるなんて。 自分は腕の辺りまでこたつ布団に突っ込んでぬくぬくしてるくせに。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加