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驚く私を見つめたまま、ゆう君は優しく言葉を続ける。
「清子が俺を見てないことも、ずっと誰かと比べられていたことも。知ってる。知ってても俺は、清子が好きだったんだ。いつまでたっても危なっかしい心のままでいる清子を……俺が、なんとかしてやりたかったんだ」
この人は、優しい。
私が想像していた以上に優しかったんだ。
私は最低だ。こんなに優しいゆう君の涙を見ても、加藤君が好きだなんて。それでも加藤君が好きだなんて。
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