15/20
前へ
/72ページ
次へ
「清子は無理に加藤君を忘れなくてもいいよ。それでも俺は清子の隣にいるよ。俺が清子を好きな気持ちは消えないよ。そんなの清子が一番良く分かっているだろう?」 一度好きになった人を、憎むことはできても、嫌いになることなんて絶対にできない。 私の十年間がそれを証明している。 加藤君の一番になれなかった十年前の私は、加藤君の前から女が一人、また一人と去っていけば、繰り上がりで一番になれるんじゃないかと、本気で思っていた。 きっとゆう君も私を待つのだろう。愛してくれているんだ。憎くて憎くて離れられないくらいに。 私は、幸せだ。
/72ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加