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  「清子ー、車に荷物積んじゃおう」 ゆう君に呼ばれ振り返る。 ゴールデンウィーク初日のショッピングモールは混んでいて、大荷物を抱えたゆう君はとても歩きにくそうだった。 「荷物積んだらお昼ご飯?」 「そうだなー。二階にフードコートあったよな」 今さっき買ったばかりのスーツケースを不器用に転がしながらゆう君の後を追う。こんな物を持つのは生まれて初めてで、どうにも照れくさい。 先週、私の名字がゆう君とお揃いの小林になった。 そして明日私達は新婚旅行に出発する。今日はドライブがてらに最後の買い出しに来ていた。
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