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「俺ね、清子お姉ちゃんがお母さんになってくれたらなって、ひろ君に話しちゃったんだ」 「うん?」 「うちはお母さんいないけど、ひろ君ちはお父さんいなくてさ。それで、仲間っていうか、気が合ってたから……」 「あ……」 「俺、浮かれてたからひろ君にいやな思いさせちゃったのかも。明日、仲直りしてくる」 そう言って陸人は先に立ってずんずんと歩き出す。 さっきより伸びた背中が一回り大きく見えた。 ――こんな子供にまで気を使わせて。私は、いつも人を傷つけてばかりだ。 私は白い息を吐きながら、その背中を無言で追うことしかできなかった。
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