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「私は……、来月結婚するの。加藤君なんかとは違って真面目で優しくて素敵な人よ。酔っぱらって暴言吐いたりしない。浮気もしない。加藤君なんかとは正反対の人よ。だからあなたとは結婚できません」
言い切ってついにこぼれた涙を拭い微笑む。
十年間ずっと、この瞬間を願っていたの。私の願いはついに叶ったの。
どんなに振り回されても。
どんなに暴言を吐かれても。
どんなに嘘をつかれても。
憎くて憎くて憎くて思い切り傷つけて、呪い殺してやりたいくらい、十年間毎日大好きだった加藤君。
やっと加藤君と正反対の彼を見つけたんだ。
私は加藤君を置いて幸せになるんだ。
これで私はやっと歩き出せる。
加藤君への想いは今夜ここに全部捨ててゆく。
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