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「なんだよ……それ。俺のこと騙してたのかよ……」
「嘘は言ってない。私は今はまだ独身だし、加藤君に呼び出されたから付き合って食事とかしてただけ。好きだからじゃ……ないの」
加藤君の表情が歪む。
そう。
そうやって悔しがればいい。
あなただってもう若くないしバツイチ子持ちだ。もう必死に口説いたって女は簡単には落とせないのは自覚してるでしょう?
それが私みたいな女でも。
悔しがれ。
自分にベタ惚れだったはずの女に捨てられて、悔しがれ。
大好きなあなたが、悔しがってくれたら。憎くて憎くて憎くて一生忘れられないくらい私を想ってくれたら。
私は救われる。
だって今でもこんなに、こんなに大好きなんだ。
だからさよならしなきゃ。
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