『盟友』

11/12
前へ
/12ページ
次へ
「なめるな!」 宗道は上段に構え、雄造の脳天に刀を振り下ろそうとする。 雄造は、一瞬かがみ、長刀を逆手に持ち、その柄で宗道の胸をつく。 それは宗道が刀を振り下ろす速さより遥かに速く、宗道の体は簡単に飛ばされた。 「勝負あり!」 尻餅をついた宗道は、泰宗の声に歯ぎしりをする。 「斬れ!敗者に情けは無用!」 雄造は、長刀を鞘に収め宗道に手を伸ばす。 「仲間を斬る訳にいかねえよ。雪はやらんが、あんたの腕は認める。雪を助けてやってくれないか?」 そう言った雄造に雪は抱き着いた。 「雄造!良かった!真剣だったから怖かった!」 その姿を見た宗道は、唖然としながらも、雄造の恋敵にはなれぬと悟った。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加