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日が暮れる中、雄造は雪の手を引き足早に歩く。
津上屋の大旦那を討ち果たすと誓った雄造。
雄造に必死についていく雪が声をあげる。
「雄造!闇雲に進んでどうする!?子供たちの命もかかっているんだぞ!」
雄造は、ぴたりと歩みを止めた。
「そうだった。ごめんよ。雪が殺されかけて、俺も動転していた……」
雄造は、落ちていく夕日を睨む。
「どうすれば……」
雪が、くすりと笑い雄造の手を強く握る。
「雄造は見た目は、かぶき者なのに、いつも真剣だな。焦っちゃダメだ。焦るときこそ止まれと父上はよく言っていたぞ」
「そうか……。そうだな……。流石、広臣様だ。やはり雪は広臣様の娘だ」
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