恋愛話は嘘でした

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周りの子たちが恋愛話に花を咲かす青春時代に、恋愛のれの字もなかった私は見事に23歳、処女だった。 私の青春何してたんだろうと訊かれれば、はい、鬱でした、とは言えないのでやはりそれなりのプライドやら常識やらが絡まって適当に設定考えて周りの人間との話に合わせる。20代の話の流れなんて必ず恋愛話に行くから、嘘をつき、また嘘のための嘘をつき、そしてまた……繰り返す。周りの人間で彼氏が今いない奴はいるが、今までいたことない奴はいないから仕方ない。自分でももう、あれ本当にそうだったんじゃないか、と思うほど出る言葉に嘘をついた。こんなよくある笑える話なのかもしれないが、私にとったら笑えない。人間関係に本当が消えるんだから。 とりあえず煩わしかった、人間が。でも残念ながら私も人間で、人間である以上人間からは離れられなかった。人間である以上、円滑な人間関係に憧れた。恋愛だってしてみたかった。彼氏だって欲しかった。結婚だってしたかった。家族だって出来れば、欲しかった。
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