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高校受験の中3のお正月もいつもとかわらず父母や親戚の人からお年玉をもらった私は、志望校が受かったら欲しい物を買おうとその年のお年玉は貯金をしておきました。そして見事第一志望が受かり、何か買おうと両親と近くのショッピングセンターへ行った時でした。「何にしようかな?」そう思って歩いていた私は、ふっとペットショップの前で雑種の子犬と出逢いました。ミックス5000円と書いてあってとても可愛い3ヶ月のオス犬でした。私はどうしても欲しくなり両親にせがみました。「みんな必要な物はお年玉で払うからお願いっ。」と何度も頼みました。ようやく飼ってもらった私は、家につれて帰りあまりの可愛さに'コロ'と名付けました。そして「今日から私がお母さんだからね!」っと子犬に言いました。学校から帰ると散歩や世話を必ずしてやりました。柴犬のミックスだったので、父と犬小屋を作りました。その日からコロは私が32歳になるまで、家族として私を支えてくれました。17年目の冬の足音がしたある日、夜中にふっと目を覚ました私はコロの様子が気になり廊下から外を見ました。するといつもは小屋の中にいるはずのコロがちょこんと座りこっちを見ていました。私はドアを開け「寒いから小屋にお入りよ。」と思わず言いました。その日の朝、コロは小屋の中でそっと息をひきとっていました。獣医さんは老衰だとおっしゃいました。コロが残してくれたお年玉の思い出は、永遠の宝物です。
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