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そして私は今も、ここにいて見ている。
学校に住み着いてしまったカラスの巣から、担任の指輪が発見されるのを。
冤罪を鵜呑みにした父親が我が子を折檻して死なせ、拘置所で自殺した事件は随分と騒がれたらしく、マスコミや野次馬が付近をうろつき、撮影や質問攻めをしては教師や生徒を困らせていたのを。
ここからも見える屋上から錯乱した担任が飛び降りるのを。
ここにいて、ずっと見ていた。
前と同じように、私の言葉など娘に届くはずもなかった。
担任が飛び降りるのを見届けた後、いつの間にか見たことのない、何処か覚えがある古井戸の前にいた。
井戸を覗き込むと、いつか聞こえたように娘の声が響く。
「次は間違えないでね、パパ」
ああ、次こそは。
そして私は、前と同じように身を投げた。
黄泉へと続く、何れは再びこの世へと至るであろう暗い穴へと。
娘を追って。
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