第1章

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「いよいよ明日だね」 「うん」 彼の返事はいつも一言だけ。 私と彼との唯一のつながり。 5年前。彼が引っ越した日から1日1通メールを交わし続けてる。 1通だけなんて決まりはないけれど彼の返事が素っ気無さすぎて話を展開しようにも出来なかった。 本当稀に彼から話題を振ってくれた時は飛び上がってしまうほど嬉しくて、何回も書いた文章を確認しては震える手で送った。 だけど帰ってきた言葉は「聞いたのはあなたでしょ!」って携帯に叫んでしまうくらい淡白でメール越しの彼は現実で話す時以上に無機質だった。 でも今日は終わらせない。ずっと待ってたんだから。
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