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「次の冬にはまた違う炬燵の妖精がやってくるだろう」
「えーっ?運命の女だとか言っといて、そんなものなの?」
「そうだ。人は、炬燵が暖かいということはよくわかっている。けれども炬燵の妖精のことは次の季節まで覚えていることができない」
「まさかー。こんなにインパクトのある妖精さんのこと、忘れるわけないじゃない」
「美知、この十年、君は炬燵を使ったか?」
「ううん?忙しかったし、エアコンも電気カーペットもあったから……でも電気カーペット壊れちゃったのよね」
「電気カーペットのご冥福を祈る」
「最後に炬燵に入ったのは何年前だっけ……うん、おばあちゃんちのやつだから……」
永井美知の頭の中で、何かが繋がった。
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