夢でも戯言でもない

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「おばあちゃんちの炬燵!赤い花柄の炬燵布団だったの!そう、その妖精さんの……え?どうしたの?ね……龍男?」 「初めて名を呼んでくれたな。これで心置きなく眠りにつける」 「ちょっと、こんなに突然!?まだ私はあなたと話したいこともあるのよ」 「突然ではないな。もう外は春だ。その熱烈な言葉は次の冬に囁いてくれ。君が覚えてくれていればまた逢える」 低く温もりのある言葉と、日溜まりのような匂いが宙を漂い、どこかへ溶けるように消えていった。 【完】
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