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「百歩譲って妖精でもいいけど、それならそれらしい外見は必要だと思うの」
永井美知は柔軟な思考回路を持っているが、目の前の生き物は、その回路の斜め下を行っていた。
ゴリラであればイケメンの部類かもしれない。
しかし人であるとしたら、数え切れない前科を持つ凶悪犯の顔つきだ。
触角だか寝癖だかわからないモノまで入れたら二メートル近いだろう。
「で、妖精さんは何をしてくれるの?」
堀子龍男のゴツい顔がほんの少し綻んだ。
「冬の間、ひたすら君を暖める」
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