夢でも戯言でもない

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堀子龍男の無言の誘惑は凄まじい。 「ああ、気持ちいいけど炬燵で寝ちゃうと頭痛くなっちゃう。布団に入らないと……」 「美知。俺がいるのに布団のやつと寝るのか!それは浮気ではないか」 永井美知は、頭を抱えた。 「妖精さん、どこでそんな言葉を覚えましたか?」 「てれびという箱は便利だ。俺は日々進化している。今日は七草粥のこしらえ方を覚えた」 「それを作ってくれたりしたら泣いて喜ぶわよ、主に私が」 堀子龍男は生真面目に首を横に振った。 「俺が食べられるものは、花の蜜とみかんだけなのだ」 永井美知は、突っ込みどころが多すぎる堀子龍男の巨体を眺めただけだった。
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