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「言いたいことがあるのならはっきりと言うがよい」
堀子龍男の言葉は言葉通りの意味でしかないが、凶悪な顔面と相まって脅しとも取れる。
怯まなかった浦江紀奈の方を褒めてもいいだろう。
「いえね、永井さんの私生活だから、私たちがとやかく言うことじゃないんだけど……」
「うむ、そうだな」
「……単刀直入に聞くけど、永井さんは……」
堀子龍男は、浦江紀奈の好奇の視線を断ち切って言い放った。
「運命の女だ。美知に何か憂いがあれば、俺は全力で排除する」
堀子龍男の背後で、季節はずれの雷が轟いた。
ドン引きした三人は、熊に出遭った山菜採りの人の様な足取りで後ずさっていった。
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