夢でも戯言でもない

8/12
前へ
/12ページ
次へ
「ねぇ妖精さん。あなたが家事を手伝ってくれて、本当に助かってるんだけど。ご近所様が遠回りして私を避けている気がするの」 「横綱ご一行様に軽い朝の挨拶をしただけだ」 「浦江さんにそんなこと言ってないわよね?」 「美知の方が酷いではないか。俺は一言も名前は出していない」 永井美知は、面倒な関わりが減ったことにはホッとしているが、少しだけ気になった。 「どんな挨拶?」 「些細なことだ。美知は俺の運命の女だと伝えただけだ」 永井美知には何がどうしてこうなったのかわからないが、堀子龍男はいつもこの上なく真剣だ。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

34人が本棚に入れています
本棚に追加