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結婚式の二次会になりやっと新郎と話すことができた。
僕と同じことを考えた人がたくさんいたのか結婚式には小学校からの大学の友人までがたくさん出席していて賑わっていた。こんな結婚式は最近ではなかなかお目にかかれないだろう。
「よぉ、彰は元気か?」
カラオケで賑わう中、新郎から大きな声で話しかけられた。どうやら僕のことは聞かなくとも元気に見えるようだ。
「元気だよ」
「そうかぁ。俺はなぁ、お前らがまだ仲良くやってるのが意外だよ」
友人は酔っているのかさっきからずっと顔がにやけている。もしかして僕に幸せを振り撒いてくれているのか? 別に必要ないのだけど。
「なんで?」
「だってお前の当時の彼女と彰、ケンカしてただろ? それでお前と彼女別れたんじゃなかったか」
「は? なんだよ、それ」
そんな過去は一度もないぞ?
にやける新郎に肩をポンポンと叩かれた。
「やっぱり友情の方が大事だよな。うん、愛なんて簡単に壊れちまうしさ」
新郎は一人で何度も頷く。
「じゃ、また飲みに行こうぜ。今日はありがとな」
そう言うと友人は女友達とカラオケを楽しむ愛する新婦の元へと戻って行った。
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