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そういうと、まるで幼い子どものように手足をバタバタをさせるコレッタ。死神だと自覚されたばかりだが、その動作はあまりにも死を司る神とは程遠く思えた。
「そもそもお願いですよ先輩~!ね、浩平が桃花のこの服装可愛いっていうとこまで!そこまで見れれば十分ですから!いいって言わなきゃずっとここにいますよ。」
「……。オーディンさまに報告するわよ。」
「オーディン様は優しいからなんだかんだ許してくださいますよ~。」
「あっそ。じゃあどうなっても知らないからね。」
そういうとグレタは煙のように宙を揺蕩い、その場から消えていった。本来なら驚くシチュエーションだが、ふよふよと浮いているコレッタに慣れて感覚が鈍くなっているのか、特に驚愕することはなかった。それよりも重大な事に気付いてしまう。階下から母の声が聞こえた。
「ねえ桃花ー?会社行かなくていいのー?」
時計はすでに普段家を出る時間から20分後をさしていた。
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