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「別にいいです。どうせ職場ついたら制服に着替えるし、下着だって見せる相手なんかいない…。」
「ふうん。まあ、あんたがいいならいいんじゃない?私はちょっとゴメンだけど。」
コレッタ曰ください衣類を身に纏い、桃花は時計を見る。いつも家を出る時間より遅れてしまった事に気付くと、いつもより少し速足に家を出た。
+++
業務時間ギリギリにタイムカードを押す。普段使わない体力を消費し、息が上がる。秋口とはいえまだ暑い日が続く。薄っすら汗すら浮かんでいるのがわかった。
「お。愛崎おはよう。珍しくギリギリじゃん。」
そう言って、隣から腕が伸びて、ピッとタイムカードの押される音がした。180cmはありそうな身長から見下ろす男性社員は、一度桃花に笑いかけると「早くいかないと部長に怒られるぞー。」と速足に駆けて行った。
「……。」
「……。」
「……。」
「…桃花?怒られちゃうってよ?」
「…え?あ、はい…。」
間抜け面をしていた桃花に声をかけると、ようやく反応を示して、桃花は彼についていくのだった。
+++
「ねえテレビ見た??」
「ヒデユキ結婚騒動?見たー。絶対メンバーで一番売れ残ると思ってたのにまさかに一番最初に結婚とかうける。」
「ね。これがカヅ結婚騒動だったら一揆起こしてたわー。」
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