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フェンの呟きに、天狗は無言を返し、代わりにミリーが口を開く。
「回避は彼に任せ、私は攻撃に専念する……いい考えだろう?」
ミリーはそう言いながら、懐から小振りのナイフを四本取り出す。四本のナイフを、左右の手で二本ずつ持つとそれをフェンに向けて構える。
それを見たフェンは、構えを取ると僅かに膝を曲げ、地を強く蹴りミリーに迫る。
しかし、フェンがミリーの元に着く前に再び風が吹き距離は縮まらない。それどころか、ミリーは後ろに下がりながら手に持っていたナイフを一本投げる。
ミリーの手から放たれたナイフは真っ直ぐフェンに向かって飛び、フェンの頬を掠める。
更に、ミリーは風邪属性の魔法を唱える。
「風よ。我に従いたまえ。…創操風!(そうそうふう)」
ミリーが魔法を発動すると、フェンの頬を掠り飛んでいったナイフが空中でピタリと止まり、何かに操られる様に向きを変えると再びフェンに向かって飛来する。
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