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返事をしないエルグを見やる…頭から血を出し口からも大量の血を吐いている。おそらく壁に背中を打ち付けたのが原因か。
エルグを観察していると僅かに手を動かしながらゆっくりと顔をこちらに向ける。
「た……耐え…ました…」
そう言いながら床に手を突きふらつく足でゆっくりと立ち上がる。
「よ…宜しく…お願いします…」
髪も服も血塗れである。そうまでして使い魔契約をしたがる意味はなんなのか。
“分からんのぉ…じゃが約束は約束じゃからのぉ”
ゼッキは溜め息を吐き出して今にも倒れそうなエルグに告げる。
「わしの名はゼッキ!もう無駄に争いはしないと決めておったがお前の覚悟に免じて`相棒`となる!」
ゼッキが言い終わると同時にエルグとゼッキの胸の辺りが光出し細い線が繋がる。光は繋がったかと思うと直ぐに消えた。
その光景を嬉しそうに見ていたエルグは
「あ…ありが、と……」
と呟いてうつ伏せに倒れこむ。
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