現れた赤鬼

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倒れて動かなくなったエルグを見てゼッキは再び溜め息をつく。 ゼッキが辺りを見回すとほとんどの者が驚きの顔を見せているが数名は嬉しそうな顔をしている。 だが、一人若い女が座り込み涙を流しながらエルグを見つめている。 ゼッキはその女性に歩み寄り話し掛ける。 「嬢ちゃん。怖がらせてすまんかったのぉ。」 声をかけられた女性はゼッキを見上げて座ったまま少し後ずさる。 「怯えんでくれ、もうあの小僧の相棒じゃ。」 ゼッキは親指でエルグを指す。 それを聞いた女性は更に涙を流しながら首をブンブンと縦に振る。 その姿を見たゼッキは笑顔になり右手に液体の入った小瓶を出現させるとそれを女性に向けて言った。 「あの小僧にこれを飲ませてやってくれ。そうすれば直ぐによくなる。」 また女性は首をブンブンと縦に振る。
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